板金機械は「機種ごとの見どころ」で査定額が変わります
ひとくちに板金機械といっても、切る・曲げる・抜くで機械はまったくの別物です。シャーリングは切断能力と刃の状態、プレスブレーキ(ベンダー)はトン数と金型、バンドソーは切断能力と鋸刃まわり、タレットパンチプレスは金型と累積ヒット数。同じ工場に並んでいる機械でも、査定で見るポイントは機種ごとに違います。
機械の窓口を運営する株式会社NKクリプトンは、ファイバーレーザー加工機・レーザー溶接機の新品販売事業者です。レーザーまわりが本業ですが、その周辺にある板金機械――シャーリング、プレスブレーキ、バンドソー、タレパン――の買取案件も実際にお引き受けしてきました。板金工場の設備は、レーザー1台だけで完結することはまずありません。「切る・曲げる・仕上げる」の一連の設備を、ひとつの窓口でまとめてご相談いただけるのが当窓口の実務上の強みです。
買取・下取りの対象になる板金機械
次のような機械をお取り扱いしています。1台からでも、工場まるごとでも構いません。
| 機種 | 査定で主に見る仕様 |
|---|---|
| シャーリング (せん断機) | 切断能力(板厚×切断長。例:4×2500、6×3000)、機械式/油圧式の別、バックゲージのNC有無、刃(ブレード)の残り研磨代。 |
| プレスブレーキ (ベンダー) | 加圧能力(トン数)×加工長(例:50t×2500、110t×3100)、NC装置の世代と制御軸数、金型(パンチ・ダイ)の有無と本数、クラウニング装置、安全装置。 |
| バンドソー (帯鋸盤) | 切断能力(丸棒φ・角材寸法)、横型/縦型、油圧クランプ・自動送材の有無、ホイールと鋸刃ガイドの摩耗。 |
| タレットパンチプレス (タレパン) | トン数、タレットのステーション数、タレット金型の有無、累積ヒット数、ローダー・アンローダー等の自動搬送。 |
| ロールベンダー パイプベンダー | 曲げ能力(板厚×幅/管径)、ロール・曲げ型の状態、NC制御の有無。 |
| コーナーシャー アイアンワーカー 油圧プレス | 能力(トン数)、付属する刃物・型の有無、油圧まわりの状態。 |
| メタルソー・面取り機 バリ取り機・タッピング盤 | 能力、消耗部(刃物・ベルト・砥石)の状態、単体で動かせるかどうか。 |
| レーザー加工機 レーザー溶接機 | 発振器の出力・メーカー・稼働時間など。詳しくはファイバーレーザー加工機・溶接機の買取・下取りで解説しています。 |
集塵機・コンプレッサー・クレーン・定盤などの付帯設備もあわせてご相談いただけます。上記に無い機種、メーカー不明・型式不明の機械も、まずは現況のままお知らせください。
主な対象メーカー(アマダ・コマツ産機・村田機械・トルンプ ほか)
アマダ(AMADA)、コマツ産機(KOMATSU)、相澤鉄工所(AIZAWA)、東洋工機、村田機械(MURATEC)、大東精機(DAITO)、育良精機(IKURA)、レッキス工業(REX)、トルンプ(TRUMPF)など、国内外の主要メーカーに対応します。OEM機・海外メーカー機・古い国産機も、まずは銘板の写真をお送りください。
機種別・査定ではここを見ています
シャーリング(せん断機)
- 切断能力:板厚と切断長の組み合わせが最初の分かれ目です。3m級で厚板が切れる仕様は引き合いが安定します。
- 刃(ブレード)の残り:ブレードは複数面を使い回せる構造が一般的で、あと何面使えるかが実質的な価値になります。刃こぼれや研磨限界は減額要因です。
- バックゲージ:NCバックゲージ付きは評価が上がります。手動送りのみの機械は用途が絞られます。
- 駆動方式:油圧式はシリンダー・配管の油漏れ、機械式はクラッチ・ブレーキとフライホイールまわりを確認します。
- 固定状況:アンカー固定かピット埋設か。掘り起こしが必要な設置は、搬出手間として査定に効いてきます。
プレスブレーキ(ベンダー)
- トン数×加工長:中間帯(おおよそ50〜110t/2.5〜3.1m級)は使い道が広く、需要が安定しています。
- 金型の有無:ここが決定的です。パンチ・ダイが一式付くかどうかで、次に使う方の初期費用がまるごと変わります。金型は「ある分だけ」写真に撮ってお知らせください。
- NC装置:世代とバックゲージの制御軸数。画面が立ち上がるか、アラームが出ていないか、バックアップ電池の状態はどうか。
- 安全装置・クラウニング:光線式などの安全装置が付いていて正常に作動するか。クラウニング装置の有無も評価点です。
- 精度と油圧:ラムの平行度、曲げ角度の再現性、油圧の漏れ。
- 検査記録:プレスブレーキは動力プレスに当たるため、特定自主検査の記録が残っていると強い材料になります(後述)。
バンドソー(帯鋸盤)
- 切断能力と型式:切断径(φ)と横型/縦型の別。現場でいちばん使われる中型帯鋸は流通が安定しています。
- 駆動・摺動部:ホイール、鋸刃ガイド、ベアリングの摩耗と、鋸刃の張力が保てるかどうか。
- 自動化の程度:油圧クランプ、自動送材(NC送り)の有無で、量産向けか単発向けかが分かれます。
- クーラント系:切削油ポンプの動作、タンクや配管の詰まり。
- 搬出のしやすさ:比較的軽量でフォークリフトで動かせる機種が多く、搬出コストが低い分、手取りが残りやすいのがバンドソーの特徴です。
タレットパンチプレス(タレパン)
- タレット金型:金型が揃っているかが最大の分岐点です。金型なしでは評価が大きく下がります。
- 累積ヒット数:消耗の目安として必ず確認します。ラム・クラッチまわりの状態もあわせて見ます。
- 周辺装置:ローダー・アンローダー、製品シュート、リフターなどの自動搬送の有無。
- 制御装置:世代と、加工データの読み出し可否。古い記録メディアしか使えない機種は、受入側の手間を見込む必要があります。
金型・付属品が査定を大きく動かします
板金機械の査定でいちばん見落とされがちなのが、金型と付属品です。プレスブレーキの金型一式、タレパンのタレット金型、シャーリングの予備ブレード、バンドソーの予備鋸刃――どれも次に使う方にとっては「買い足すと高いもの」なので、揃っているだけで機械全体の価値が上がります。
- プレスブレーキ:パンチ・ダイの本数と長さ、ワンタッチ金型かどうか、金型ラックの有無
- タレパン:タレット金型のセット数、特殊型・成形型の有無
- シャーリング:予備ブレード、バックゲージの追加部品
- バンドソー:予備鋸刃、送材ローラー、バイス
- 共通:取扱説明書、電気回路図、パラメータ表、保守・検査記録
「別の場所にしまってある」「使わないから処分しようと思っていた」という金型が、そのまま査定額に反映されることは珍しくありません。機械と一緒にご相談ください。
搬出条件も、査定額の一部です
板金機械は重量物です。買い手から見た総額は「機械代+外し賃・運賃」なので、搬出のしやすさがそのまま提示額に効いてきます。ここを最初に共有しておくと、後から金額が下振れする事態を避けられます。
| 確認する点 | 内容 |
|---|---|
| 設置階と経路 | 1階の間口近くか、2階か。搬出経路の幅・高さ、シャッターや出入口の寸法。 |
| 固定方法 | アンカー固定か、ピット埋設か。基礎の掘り起こしが必要かどうか。 |
| 荷役の手段 | フォークリフトで動かせるか、クレーン・ユニックが要るか、レッカーの手配が必要か。 |
| 分解の要否 | 分解しないと出せない場合、その手間と、搬入先での復元性。 |
| 周辺状況 | 他の機械との間隔、床の耐荷重、通路の養生、搬出できる時間帯。 |
現地の写真(機械の周囲・搬出経路・出入口)を数枚いただけると、この部分の見積り精度が上がります。工場閉鎖などで複数台をまとめてお出しになる場合は、1台ずつバラでご依頼になるより段取りが1回で済み、条件が良くなることが多いです。設備をまとめて整理する場合の進め方は廃業・工場閉鎖の機械処分・売却ガイドで解説しています。
売却の前に確認しておきたい、法令まわりの話
板金機械の売買には、他の機械にはない確認事項があります。ここを先に押さえておくと、成約後のトラブルを避けられます。
定期自主検査・特定自主検査の記録
動力プレス(プレスブレーキを含みます)は、1年以内ごとに1回、有資格者または登録検査業者による特定自主検査を行うことが義務づけられています(労働安全衛生法第45条第2項)。検査を行った年月を示す検査標章を機械に貼り付けることとされ、記録は3年間保存します。シャーリング(シヤー)についても、1年以内ごとに1回の定期自主検査と記録の3年間保存が必要です。
売る側にとって大事なのは、これらの記録が残っている機械は次の使い手が安心して導入でき、その分プラスに評価されるということです。逆に、長く止まっていて検査履歴が途切れている機械は、買い手が受入後の点検費用を見込むため、評価が伸びにくくなります。書類が残っていれば、査定の際にぜひお知らせください。
安全装置と「譲渡等の制限」
労働安全衛生法は、動力プレスなど同法別表第二に掲げる機械等について、厚生労働大臣が定める規格・安全装置を具備しなければ譲渡・貸与・設置してはならないと定めています(第42条)。また、動力で駆動される機械等で、突起物・動力伝導部分・調速部分に必要な防護措置が施されていないものの譲渡・貸与・展示も禁止されています(第43条)。これらは新品・中古を問わず適用されます。
実務上は、安全装置を外したまま、あるいは防護カバーが欠けたままの機械は、そのままの状態では適法に譲り渡せないということです。当社ではこうした点も含めて現況を確認し、必要な場合は整備・部品復旧を前提とした評価をご提案します。「安全装置が外れているから売れない」と決めてしまう前に、まずご相談ください。
古い機械のPCB(ポリ塩化ビフェニル)
古い板金機械には、動力用トランスや力率改善用コンデンサに微量のPCBを含む絶縁油が使われていることがあります。低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年3月31日で、PCB廃棄物に該当する機器は法律上、譲り渡すことも譲り受けることもできません。古い機械を手放す際は、この確認を先に済ませておくのが結果的にいちばん早く安全です。詳しくは低濃度PCBの処分期限と機械売却の注意点をご覧ください。
出典・参考:労働安全衛生法(第42条・第43条・第45条)/労働安全衛生規則(プレス機械及びシヤーの定期自主検査、動力プレスの特定自主検査に関する規定)。
板金機械を高く売るための5つの準備
- 銘板の写真を撮る:メーカー・型式・製造番号・製造年。能力表示の銘板が別に付いている機械は、それも撮ってください。
- 金型・付属品を集める:プレスブレーキの金型、タレパンの金型、予備刃。数量がわかるように並べて撮影すると評価が正確になります。
- 動く機械は動画を撮る:数十秒で十分です。NC装置が立ち上がるところまで映っていると理想的です。
- 検査記録・保守記録・取説を探す:特定自主検査や定期自主検査の記録、修理履歴、電気回路図。
- 搬出まわりの写真を撮る:機械の周囲、通路、出入口、設置階がわかる位置から。
この5点が揃っていると概算査定の精度が上がり、現地確認のあとで金額が下振れすることも起きにくくなります。
買取・下取りの流れ
お手元のスマートフォンで写真を撮って送るだけ。難しい手続きはありません。
写真をフォームで送信
「銘板(型式プレート)」「機械全体」「操作盤・NC装置」の3枚が目安です。金型がある場合は、金型の写真もあわせてお送りください。
2〜3営業日以内に概算をご回答
機種・能力・年式・状態に加え、金型の有無と搬出条件を踏まえて、概算の買取/下取りレンジをお伝えします。
現地確認・条件のすり合わせ
金額感にご納得いただけたら、必要に応じて現地を確認し、搬出方法・日程・立会いの要否を調整します。提携整備工場と連携し、状態に応じた評価を行います。
成約・搬出・入金
条件が整えば成約です。古物商許可(東京都公安委員会 第303312016607号)のもと、適法な手続きで買取・搬出を進めます。査定後のお断り・相見積もりも歓迎です。
1台でも、工場まるごとでも
「シャーリングだけ入れ替えたい」「バンドソーが1台余っている」といった単品のご相談から、廃業・工場閉鎖に伴う設備一括の整理まで対応します。まとめてお出しいただける場合は搬出の段取りが1回で済むため、結果的に条件が良くなることが多いです。旋盤やフライス盤などが一緒に残っている場合は、旋盤・フライス盤など汎用機械の買取・下取りもあわせてご覧ください。
なお、当社は買取一辺倒ではありません。売るより使い続けたほうが良い機械、当社より他の専門業者のほうが高く評価できる機械については、正直にそうお伝えします。買い手側として特定の機種をお探しの場合は、中古機械をお探しの方へから条件をご登録いただけます。